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『秋山邦晴の日本映画音楽史を形作る人々/アニメーション映画の系譜』
刊行


『秋山邦晴の日本映画音楽史を形作る人々/アニメーション映画の系譜』表紙
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 『秋山邦晴の日本映画音楽史を形作る人々/アニメーション映画の系譜』 秋山邦晴 著 高崎俊夫+朝倉史明 編(DU BOOKS 株式会社ディスクユニオン)が、刊行されました。

 『キネマ旬報』1971年10月下旬号〜78年8月下旬号まで隔号で連載された、音楽評論家 秋山邦晴(1929年〜1996年)による「日本の映画音楽史を形作る人々」。

 本連載は大きく二つの流れがあり、一つは当時現役で活躍中だった伊福部昭、池野成、芥川也寸志、黛敏郎、松村禎三、眞鍋理一郎、佐藤勝、林光、八木正生、武満徹、宇野誠一郎などの他、日本映画の最初期から音楽を手がけた紙恭輔、堀内敬三、早坂文雄といった作曲家、そして録音技術者 市川綱二を原則一回につき一人をテーマとして取り上げたもの(同じ人が複数回登場することも)。
 二つ目は、アニメーションの発達史を辿りつつ、音楽・音響を考察したもので「アニメーション映画の系譜」と題されました。

 本連載は、自身も音楽家であった秋山氏のたしかな知識と丹念な調査の反映、膨大な資料の活用と、それまであまり語られてこなかったアニメーションの音響史・音楽史に言及した点、そして、テーマとして登場した作曲家本人、または周辺の人々へのインタビューを多く収めている点で、今日も第一級資料として色褪せない輝きを放っています。

 連載の一部は、秋山氏自身が内容を再編集・加筆して、日本映画音楽の歴史を活弁時代の楽士の演奏を含む草創期からきめ細やかに論じるかたちで、1974年に『日本の映画音楽史1』(田畑書店)として刊行。続巻の予告がされるものの、刊行には至らず同書はその後絶版となってしまいます。

 かねてより本連載の書籍化を望む声が根強くある中、ついに「日本初の本格的トーキー映画公開80周年記念出版」として単行本化が実現しました。

 また、かつてSalidaは、作曲家 池野成先生より、御自身がテーマとして取り上げられた「日本の映画音楽史を形作る人々」記事内容に事実と異なる箇所があることをうかがっており、幸いその時のお話を録音していたため、今回の書籍化にあたっては、本書編集者の方々が池野先生の希望を尊重してくださり、「編集者註」が設けられ、訂正が反映されるかたちになっています。



〔※ 画像掲載許諾確認済み〕








作曲家 池野成 研究活動



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