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映画『箱根山』(東宝 1962年 監督:川島雄三 音楽:池野成)神保町シアター2019年4月27日(土)~5月3日(祝・金) 上映




 映画『箱根山』(東宝 1962年 監督:川島雄三 音楽:池野成)が、東京・神田の神保町シアター特集企画「一年遅れの生誕百年 映画監督 川島雄三」で上映されます。〔上映期間:2019年4月27日(土)~5月3日(祝・金)〕

【CD「小杉太一郎の純音楽」報道記事】


 1962年の東宝作品。獅子文六の同名小説の映画化。脚色は川島と井出俊郎。

 1950年前後から東急と西部のあいだで箱根の観光開発を巡る争いが大々的に続き、「箱根山戦争」と呼ばれたが、獅子はそれに取材して、相対立する中央の2大観光資本のドラマを後景、箱根でいがみあう2つの老舗旅館のドラマを前景とし、その2つ旅館の跡取りと目される若い男女が『ロメオとジュリエット』よろしく恋に落ちる物語を書いた。

 川島は、2つの旅館の主人に東山千栄子と佐野周二、若い男女に加山雄三と星由里子、「箱根山戦争」に絡む政財官界人に東野英治郎、小沢栄太郎、中村伸郎などを配し、箱根に観光に詰めかけたり、その利権に群がる人間の矮小さと、富士山麓の自然の雄大さと、そこに育まれる若人の清々しい恋とを、派手に対比させようとした。結局この映画は、コメディともロマンスとも自然賛歌とも何ともつかない、川島らしい得体のしれぬものに仕上がっている。

 主題曲は、言わばラヴェルやイベールの池野的に濃厚にされた変型であって、それは慌ただしさに於いてコメディの面と、おおらかさに於いて自然賛歌の面と結び付く。そしてロマンスの面を支えるのは、加山がドイツ人の血を引いているという設定ゆえに現れるワーグナーの引用である。それはホルンで伸びやかに吹奏される。

解説:片山杜秀(CD「池野成の映画音楽」〔4枚組〕解説書より)


【CD「小杉太一郎の純音楽」報道記事】






神保町シアター【劇場案内・地図】

神保町シアター外観神保町シアター内部





作曲家 池野成 研究活動


CD「池野成の映画音楽 牡丹燈籠 妖怪大戦争」


CD「池野成の純音楽」





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