【作曲者の言葉】
作者は、アイヌ語でシャアンルルーと呼ぶ高原の一寒村に少年期を過しました。そこには、未だ多くのアイヌの人達が住んでいて、古い行事や古謡が傳承されていました。
タプカーラとは、彼等の言葉で『立って踊る』と云うような意をもち、興がのると、喜びは勿論、悲しい時でも、その心情の赴くまま、即興の詩を歌い延々と踊るのでした。
それは、今なお、感動を押え得ぬ思い出なのです。
その彼等への共感と、ノスタルヂアがこの作品の動機となっています。
作品は、中学一年からの友人で、博識な音楽評論家である三浦淳史君に献呈されています。
彼は、少年である私をそそのかし、私を作曲と云う地獄界に陥しいれたメフィストフェレスなのです。
(出典:「日本の交響作品展4 伊福部昭 新交響楽団・第87回演奏会」プログラム 1980年)
1955年1月26日、アメリカ・インディアナポリスにおいて、フェビアン・セヴィツキー 指揮 インディアナポリス交響楽団により初演。
その後、作曲者は1970年代に改訂を加え、1980年4月6日、「日本の交響作品展4 伊福部昭 新交響楽団・第87回演奏会」で芥川也寸志 指揮 新交響楽団により改訂初演されている。
作品は、次の三楽章から成る。
T.レント・モルト〜アレグロ
U.アダージョ
V.ヴィヴァーチェ
【「伊福部昭の純音楽」特別寄稿】
取り扱い
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