ヴァイオリンと管絃楽のための協奏風狂詩曲
(ヴァイオリン協奏曲 第1番)(1948/71)
RAPSODIA CONCERTANTE per Violino ed Orchestra
(CONCERTO No.1 for Violin and Orchestra)
徳永二男(ヴァイオリン)
石橋義也 指揮 東京フィルハーモニー交響楽団
収録:1973年7月25日 NHKスタジオ
1973年9月16日放送 NHK-FM『現代の音楽』マスター音源
〔音源提供:NHK/NHKサービスセンター〕
【作曲者の言葉】
長い歴史をもつヴァイオリン音楽には、それぞれ勝れた様式や流派が確立されていますが、この作品ではそれ等から少し離れたいわばジプシィ・ヴァイオリンに近い様式がとられています。
それは、余りにも洗練され、ヨーロッパ化した様式と、又、近代の虚脱から逃れてみたいと考えたからに他なりません。――この楽器の祖先は本来アジアなのですから。
第一楽章では主として旋律的な要素に、又、第二楽章では律動的な面に主眼がおかれています。
(出典:東京交響楽団公演「伊福部昭 協奏四題」プログラム 1983年)
本作は、最終版に至るまで3度にわたり改訂が加えられており、作品名も改作の度に変更されたが、最終的に《ヴァイオリンと管絃楽のための協奏風狂詩曲》(ヴァイオリン協奏曲
第1番)の呼称が定着することとなった。各版の初演は次のとおりである。
オリジナル版《ヴァイオリンと管絃楽のための協奏曲》 ― 1948年6月22日、日米現代音楽祭(於:日比谷公会堂)江藤俊哉(ヴァイオリン)、上田 仁(指揮)東宝交響楽団(現・東京交響楽団)
改訂第1版《ヴァイオリンと管絃楽のための狂詩曲》 ― 1951年にジェノヴァで演奏された可能性があるも詳細不明。
改訂第2版《ヴァイオリンと管絃楽のための協奏風狂詩曲》 ― 1959年11月5日(NHK第2放送)、小林武史(ヴァイオリン)、森 正(指揮)ABC日本交響楽団
改訂第3版《ヴァイオリンと管絃楽のための協奏風狂詩曲》(ヴァイオリン協奏曲 第1番)=最終版 ― (収録:1973年7月25日 NHKスタジオ)1973年9月16日(NHK-FM放送)、徳永二男(ヴァイオリン)、石橋義也(指揮)東京フィルハーモニー交響楽団
〔「伊福部昭の純音楽」収録音源〕
※ 《ヴァイオリンと管絃楽のための協奏風狂詩曲》(1948/71)放送初演番組NHK-FM『現代の音楽』放送日について
これまで《ヴァイオリンと管絃楽のための協奏風狂詩曲》(1948/71)が放送初演されたNHK-FM『現代の音楽』放送日は、各既存資料に「1973年9月8日」と記されており、そのようにCD制作を進めてきましたが、今回のマスター音源CD化に際し、NHKが1973年9月当時の「番組確定表」を入念に紐解いて調べてくださったところ、9月8日に『現代の音楽』の放送は無く、実際に放送されたのは9月16日であることが判明しました。これにより放送日を「9月16日」としています。
【「伊福部昭の純音楽」特別寄稿】
取り扱い
タワーレコード HMV 他