《PRELUDE プレリュード》(1987)は、井上謹次を主宰者兼指揮者として、1981年に発足した東京ブラスコンコードの委嘱により作曲されている。
新作委嘱を考えていた井上に池野成を紹介したのは、作曲家 浦田健次郎。
当時、池野と同じく東京藝術大学で教職についていた浦田は、かつて井上のもとでピアノ・ソルフェージュの指導を受けており、このつながりが井上と池野を結びつけた。
この曲の初演プログラムには作品に関する作曲者の言葉が掲載されていないものの、Brass Bandに打楽器を加えたより大きな編成によって、チベット密教の典礼音楽が持つ響きへの探究をこころみたものと考えられる。
本曲初演のマスター音源は現在所在不明であることから、CD「池野成の純音楽」には作曲者所蔵・提供のカセットテープ音源を収録。
CD化を御承諾くださいました井上文子氏および東京ブラスコンコードに深く感謝を申し上げます。