《TIMPANATA ティンパナータ》(1977) は、世界的打楽器奏者 有賀誠門の委嘱により作曲され、同氏に献呈されている。
1977年は、東京藝術大学の創立九十周年にあたり、大学では記念演奏会が企画され、打楽器科教官であった有賀も出演することとなった。同年2月に行われた《EVOCATION》初演および同年5月の再演に参加し、作曲家 池野成の曲に関心を持っていた有賀は、この記念演奏会で披露する作品を池野に委嘱したのだった。
《TIMPANATA ティンパナータ》初演は、現在、各楽器演奏の第一人者として知られる錚々たるメンバーによって行なわれている。
ティンパニ独奏:有賀誠門
アルトフルート&フルート:中川昌巳
ホルン:大橋秀丸、村松正春、南浩之
トロンボーン:野武重忠、田中康之、沖野信雄
テューバ:杉山淳
パーカッション:中谷孝哉、前田均、近藤高顯、山口多嘉子、河合尚市
なお、作品は初演後にフルートのパートやティンパニのカデンツァが減衰していく終結部などに手が加えられており、その版は有賀をはじめとする、数々のティンパニストによってこれまで演奏が重ねられている。
CD「池野成の純音楽」制作の中で、東京藝術大学と数ヶ月に渡り交渉を重ね、同大学に保管されていた「東京藝術大学創立九十周年記念演奏会」のマスター音源を確認。
現存する最良の音質である《TIMPANATA》(初演)音源の初CD化を実現しました。