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奥平 一 氏 インタビュー

【今井重幸 作曲《ゴジラのフラメンコ》】

今井重幸
撮影:小島竜生

今井重幸 氏 略歴



―――《ゴジラのフラメンコ》は、どのようないきさつで演奏されたのでしょうか。


 2004年に伊福部昭先生が文化功労者に顕彰されたことを記念してオーケスラ・ニッポニカで演奏会を催したんです。今井重幸先生も「実行委員会代表」としてその演奏会に関わっていらした。

 それで実に今井先生らしい話なんですけど、もう演奏会も間近という頃になって突然「これ書いたんだよ」って《ゴジラのフラメンコ》のスコアを持って来られたんですよ。
 当然すでに演奏曲目は決定している段階なんですけど「これアンコールでやってくれないかな」とおっしゃって。アンコールにしては長い曲なんですけどね(笑)。さらに「アンコールが無理だったら、演奏会の後に行われる東京會舘での祝賀会の席でもいいから演奏できないかな」と。

 それだったらもっと前から言ってくださればいいのに!!ですよね(笑)。書いたっていっても演奏するんだったらパート譜も作んなきゃいけないわけだし。

 まあそれでとにかく譜面を見てみたら確かにその時の出演メンバーで演奏出来るような小型のオーケスラ編成で書かれてはいるんです。
 ですけどね、もう本舞台だけでもスケジュールがパンパンの状態なんですよ。祝賀会で演奏するといっても演奏メンバー全員が祝賀会に出席するのは各々予定があったり、出席するためには参加費が必要だったりでどう考えても難しい。ですから「やっぱりこれは申し訳ないですけど無理ですよ」と申し上げて、今井先生には泣いていただいたんです。

 それからちょうど10年後ですね、2014年になって間もなく今井先生がお亡くなりになった。
 今井先生はオーケストラ・ニッポニカにとって大変お世話になった方ですので、2014年の最初のコンサートである「第25回演奏会」で何か今井先生の作品を演奏しようということに急遽なったんです。
 そこで、あれ以来スコアをお預かりしていたものの、ずっと演奏する機会が無くて今井先生に申し訳なかったという思いもあって《ゴジラのフラメンコ》をコンサートの冒頭で追悼演奏させていただいて、それがこの作品の初演となりました。



―――初演後、作品についての反応はいかがでしたか。


 演奏会が終わった後、これは誰かは申し上げられないんですけど(笑)、ある方からお電話をいただいて、

「今井重幸さんって演奏会後のレセプションでいつもお目にかかっていて、酔っ払いの髭はやしたオジサンぐらいにしか思ってなかったけど、すごい作曲家なんだね!!」

 《ゴジラのフラメンコ》を演奏して良かったと思いましたね。




奥平 一 氏 略歴



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