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映画『河内カルメン』タイトル音楽について



 映画『河内カルメン』(1966年 日活/監督:鈴木清順 音楽:小杉太一郎)のトップタイトルに流れるのは、ギター、手拍子、カスタネット、タンバリン、そしてシロフォンが入るフラメンコ。

 かつてSalidaは、このタイトル音楽が既存のフラメンコ曲なのか否か、ギタリスト 上田英治さんにお尋ねしたことがありました。

 後日、上田さんからいただいた御返事が以下になります。

【CD「小杉太一郎の純音楽」報道記事】


 上田英治です。
 『河内カルメン』のタイトル音楽について、プロのフラメンコギタリストに見解を聞いてみました。以下、専門的な内容ですが、参考になさって下さい。


これがスグに何の形式かわからない理由がわかりました。

1. 冒頭のラスゲアードはアバンドラオ(マラゲーニャ、ロンデーニャが属する) 風に弾かれています。即ち、一拍目にアクセントのあるストレートな三拍子で弾かれフラメンコらしい雰囲気をだしています。ただし、コードが変わるポイントが恐らく作者のオリジナルになっていて、聞き馴染んでるものとは違うものになっています。


※ Salida註)ラスゲアード: 左手で和音を押さえ、右手の指の爪側で上から下に掻き鳴らすように弾くギターの奏法のひとつ。フラメンコギターで多く使われる。


2. その後、全く典型的なソレアのフレーズが続きますが、スグにソレアとわからないのは演奏者が一拍目にアクセントをおいたまま弾いているからです。もし、ここからのフレーズを三拍目にアクセントを付けながら演奏すれば、そのままソレアに使えます。


 おそらく録音したのはフラメンコギタリストではなく、クラシックギタリストが楽譜通り弾いたのではないでしょうか?

【CD「小杉太一郎の純音楽」報道記事】



 作曲家 小杉太一郎の意匠がこらされた『河内カルメン』タイトル音楽をどうぞ御確認ください。




映画『河内カルメン』DVD






作曲家 小杉太一郎 研究活動



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