映画『黒の斜面』(松竹=俳優座 1971年 監督:貞永方久 音楽:池野成)が、東京・神田の神保町シアター特集企画「市原悦子と樹木希林 「個性派」と呼ばれたふたりの女優」で上映されます。〔上映期間:2019年6月22日(土)~6月28日(金)〕
貞永方久監督の『黒の斜面』は、日曜の午後、テレビで初めて観ました。次の日の月曜からまた学校だし、ああ、また通勤電車で押し合いへし合い朝から行かなくてはいかんのか、いやだなあと思いはじめてくる時刻に、といいますのは小学校から満員電車で行ってましたもんですからね、とにかくそういう気怠い日曜の午後の夕方近く、池野成の、バスをトロンボーンとティンパニに支えられた、暗くて重い弦のメロディのうえに、加藤剛がラッシュアワーに無表情で新宿かどこかの駅の雑踏にもまれながら出勤する場面が俯瞰で淡々と写って、そういうのを観て聴いていると、もう人生いやになっちゃって、どこかに逃げたいなあと。そうやって池野成が染みついてしまいましたよ、心の襞の奥深くにね。
神保町シアター【劇場案内・地図】
作曲家 池野成 研究活動
CD「池野成の映画音楽 牡丹燈籠 妖怪大戦争」
CD「池野成の純音楽」