


東京フィルハーモニー交響楽団 ソロ・コンサートマスター 荒井英治さんへの取材により、池野成 作曲《RAPSODIA CONCERTANTE》の改訂内容が確定するに至りました。

荒井 英治 氏 略歴
《RAPSODIA CONCERTANTE》の改訂については、2001年に仲森友英さんが作成されたコピー楽譜、および2004年に進められていたレコーディング企画への提供スコアにたいして、作曲者が数箇所に加筆を行ったことが確認されています。
2001年改訂譜は、先の仲森さんからのご連絡により、その内容が判明しました。一方、2004年改訂譜は、企画に関わられていた片山杜秀さんを経由してレコードレーベル会社へ送られたため、容易に確認出来る状態にありません。そのため、2001年と2004年に行われた改訂に相違があるのか否かこれまで判断することができませんでした。
しかし―――。

荒井英治さんへの取材により、問題は氷解しました。
なぜなら―――2004年のレコーディング企画でソロ・ヴァイオリン奏者として予定されていたのは、ほかでもない荒井英治さんその人であり、当時レコードレーベル会社から届けられた《RAPSODIA
CONCERTANTE》スコア(2004年改訂版)コピーの全ページを現在まで大切に保管してくださっていたからです。

2001年改訂版と2004年改訂版を照合してみると―――

【2001年改訂版】
作品冒頭、ソロ・ヴァイオリンの出だしに改訂が加えられている。

【2004年改訂版】
切り抜いた五線紙を上から貼り、同内容の改訂が行われている。


2001年改訂版(写真左)でのティンパニへの加筆も、2004年改訂版(写真右)に反映されています。
この他、2001年改訂版の加筆部分を踏まえ、すべてのページを検証した結果、2001年と2004年に行われた改訂の内容は「まったく同じ」であるという結論に達しました。

荒井英治様、仲森友英様、片山杜秀様をはじめとする皆様の御協力により、池野成先生が意図された《RAPSODIA CONCERTANTE》の改訂内容がついに確定しました。
この場を借りて心より御礼申し上げます。
池野成 作曲《RAPSODIA CONCERTANTE》改訂譜を確認
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