映画『四十八歳の抵抗』(大映東京 1956年 監督:吉村公三郎 音楽:池野成)が、東京・神田の神保町シアター特集企画「女優で観る〈大映〉文芸映画の世界」で上映されます。〔上映期間:2017年12月9日(土)〜12月15日(金)〕
『四十八歳の抵抗』の劇伴音楽作曲時、池野成先生は小杉太一郎氏宅でスイスの作曲家 リーバーマンの《ジャズバンドと管弦楽のための協奏曲》スコアを見せてもらったとのことです。
マンボやジャズなどを無調・十二音と結びつけた《ジャズバンドと管弦楽のための協奏曲》からの影響もあり、『四十八歳の抵抗』では、ジャズを主観的に捉えた音楽設計が施されています。つまりジャズの音楽語法の定型に従うのではなく、我流に歪めた池野ジャズが随所に展開されます。
編成も通常のジャズバンドではないかたちがとられており、不協和音もジャズで通例のものではなく、独自の不協和音が使われています。
以上のことを語られてから池野先生は最後にこうおっしゃいました。
「ただ、リーバーマンの音楽は私にはまったくダメでした」
このようなエピソードも残る映画『四十八歳の抵抗』を是非この機会に御確認ください!