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小杉太一郎 作曲

東映TV動画『サイボーグ009』副主題歌

《戦いおわって》

楽譜発見

東映TV動画『サイボーグ009』副主題歌《戦いおわって》楽譜


 この度、東映TV動画『サイボーグ009』副主題歌《戦いおわって》楽譜が、小杉太一郎宅におけるSalida調査により発見されました。


『サイボーグ009』への仕事


 作曲家 小杉太一郎の劇伴音楽の中でも広く知られ、特に人気が高い、東映動画(現:東映アニメーション)作品『サイボーグ009』。

 1958年公開の『白蛇伝』(演出:藪下泰司)を皮切りとし、東映は毎年1作のペースで長編アニメーション映画を制作。その第6作にあたる『わんぱく王子の大蛇退治』(1963年)を演出したアニメーション演出家 芹川有吾は、かねてよりファンであった作曲家 伊福部昭に音楽担当を依頼しました。

 その後、芹川が演出を担当することとなった中編アニメーション映画『サイボーグ009』(1966年)でも伊福部の起用を希望するものの、諸般の事情から実現には至らず、伊福部の推薦により小杉が音楽を担当することとなります。

 音楽通として知られる芹川は、音楽挿入箇所を神経質に細かく要求しましたが、小杉はその要望に応え、64分の本編に対して全71曲、トータル43分の極めてバラエティに富んだ音楽を作曲。その仕事は芹川を非常に満足させました。
 作品は好評を博し、翌1967年に第二作『サイボーグ009 怪獣戦争』が公開され、音楽は引き続き小杉が担当します。

 劇場版の成功を受け、『サイボーグ009』は、1968年にモノクロ版テレビシリーズ(2クール)化され、音楽に三たび小杉を起用。劇場版用の楽曲と併せ、小杉がテレビ用に書き下ろした新BGMとエンディングテーマ曲が使用されることとなりました。

「まぜこぜ」封筒の中から


 これら劇場版およびテレビ用に作曲された楽曲の楽譜は、約10年にわたるSalidaの「作曲家 小杉太一郎 研究」の中で確認されましたが、唯一、モノクロ版テレビシリーズのエンディングテーマとして作曲された『サイボーグ009』副主題歌《戦いおわって》の楽譜だけが見つかっていませんでした。

 そのような中、2019年に小杉宅の地下倉庫でおこなわれたSalida調査により、「まぜこぜ」と書き込まれた封筒の中から、ついに《戦いおわって》スコアを発見しました。

「まぜこぜ」楽譜


 《戦いおわって》は、『サイボーグ009』原作者である石ノ森章太郎が作詞をおこない、1960〜70年代に活動したコーラス・グループ、「ボーカル・ショップ」によって歌われ、モノクロ版テレビ『サイボーグ009』エンディングテーマ曲として使用されました。

 また、歌の入らないインストゥルメンタル演奏バージョンは、劇伴音楽としても使用され、なかでもテレビ版『サイボーグ009』最終話のラスト、地球へ落下する009を002が救うシーンで流れる同曲は、とりわけ印象深くファンの耳に刻まれています。


 
《戦いおわって》楽譜発見をふまえ、Salidaの「作曲家 小杉太一郎 研究」は、あらたな局面をむかえました。








作曲家 小杉太一郎 研究活動


CD「小杉太一郎の純音楽」


CD「小杉太一郎の純音楽U」






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